肺がんとタバコの危険性:肺がんになるとどうなるの?

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肺がんとタバコの危険性

がんは、正常な細胞が何かのきっかけでがん細胞に変化し、それが異常増殖して起こる病気です。
最近の遺伝子の研究から、人間はがん化させるがん遺伝子と、それを抑制するがん抑制遺伝子をもっていることがわかってきました。
がん抑制遺伝子が欠損すると細胞のがん化が始まり、がん細胞の増殖に歯止めがきかなくなります。
肺がんもほかの多くのがんと同じように、さまざまな因子が関係して発症すると考えられています。
そのなかでも最も危険なのが呼吸に関する要因です。

まず私たちが日常吸っている空気には、自動車の排ガス、工場の煤煙などから排出される大気汚染物質が含まれています。
なかでもダイオキシンは最近話題になっている発がん物質です。
汚れた空気を長期間吸いつづけることは、がん発症のリスクを高めることになります。
同様にアスベストなどの有害な粉塵がでる作業に従事することも、発症の危険を高めます。
しかし、何と言っても一番の危険因子はタバコです。
タバコの煙の中には、20種類以上もの発がん物質が含まれているといわれています。
そのなかでも最も危険なのが、タバコのタールに含まれているベンツピレンとよばれている物質です。

これらの危険な物質を日常的に体内に取り込んでいる喫煙者の肺がん発症率は、非喫煙者の4,5倍に上るといわれています。
男性のがんによる死亡者数が女性の約3倍にもなっているのは、男性に喫煙者が多いためです。
肺がんのなかでも、肺門部にがんが発生する人のほとんどがヘビースモーカーといわれる喫煙指数が400を超える人たちです。
喫煙指数は、1日の平均的な喫煙本数と年数を掛けることで算出します。
タバコとの密接な関連が明らかになっているのは、扁平上皮がんと小細胞がんです。
喫煙者は非喫煙者に比べ5~10倍もがんになりやすいという報告もあるほどです。
また、食生活とのかかわりも指摘されています。
動物性脂肪、加工食品、塩分の多い食品、焦げた肉や魚などは、発がんを促す食品として知られています。
さらに、家族が肺がんにかかったことのある人に発がんの危険性は高いとされています。